第3回 三越伊勢丹 村山氏インタビュー

三越伊勢丹
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―いつもどのようなルートで商品情報を入手されているんですか?

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大切にしているのは、人と人との繋がりです。「志」や「考え」が同じ方々って横で繋がって情報交換をしているんですよね。そう言った方々から情報をいただいたりもしています。だから生産者の方からの情報は特に大切にしています。 食品だけでなくても「面白そうだな」と思う方々とは分け隔てなくお会いするように心がけています。

―地元の方からの紹介で良いことにはどんなことがありますか?

家や会社のデスクでキーボードを叩けば色々な情報が手に入る世の中。でも、画面だけで見たものと、実際にその土地の空気や雰囲気、地元の人と接して得たものって全然印象や感動が違いませんか。「百聞は一見にしかず」とよく言いますが、現地に入って情報を得ることって、今も昔も変わらず重要なことだと思います。 旅行もそうですが、現地に行ってみないと気付かない情報や、得られないこともたくさんありますからね。

―お客様に商品を紹介するにあたって気をつけている事はありますか?

食品という単純に「モノ」を紹介するだけでなく、文化も一緒に紹介できればと思っています。その食品・商品が出来たストーリーって、その土地の「雰囲気・文化・背景」がすごく関わっていると思うんですよね。そう言った部分も紹介しないと厚みのないものになってしまうし、本当の良さが伝わらなくなってしまう。きっと地元の人でも「行ってみたいな」と思わせるのは「食」だけではないと思うんですよね。

―地方銀行フードセレクションでは良い商品が見つかりましたか?

もちろんありました。実際何社と取引が始まり、何社と商談中かは分かりません。 その時にどれだけ成約したかは、主催者の方だと一番気になる点だとは思いますが。

―どのようにブースを回りますか?

1周会場を必ずグルッと見ます。気になったところに足を止める感じですかね。 必ず会場はグルっと1周します。

―どんなブースが気になりますか?

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気になるブースは2つしかありません。 『自分が探している商品のブース』と『見た目』 「聞いたことのない商品を扱っている」「普通の商品なんだけど、ディスプレイに工夫があるところ」「思わず立ちどまらせてしまう魅力的な人」など、そんなブースにはふと足を止めてしまいます。 食べてもらえば美味しさが分かるという方もいますが、試食をしていただくためには、まず立ち止まらせなければいけない。我が子のような商品をバイヤーと出逢わせてあげないと商品が可愛そうですからね。

10月開催の地方銀行フードセレクションに来場される時は、いつの季節の商品をターゲットに来場されますか?

4ヶ月から半年後の商品を目当てに来場します。ですので、3月から4月をイメージしています。 持論ですが、適切な時期に適切な場所で紹介をすることをモットーにしていますので、明日にでも扱いたい商品もあれば、まだ寝かしておく必要のある商品もあるので、一概にいつということも言えないのも事実ですね。

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―バイヤーとしてのやりがいはどこですか?

日本、そして世界中の色々な食べ物を知ることが出来て、それを欲しがっている人たちとの出逢いをつくり出せることです。

―最後に、この仕事を通じてどういうことを実現したいか、教えてください。

食を通してニッポンを元気にしたいです。 ニッポンを元気にするということは、一人一人が元気になることだと思います。 お客さまであれば、素敵な商品との出逢い。生産者の方々にとっては、良いお客さまとの出逢い。そしてそこで生まれた出逢いによって、新しい商品が生まれていく。 それだけで一歩ずつ先に進んでいるじゃないですか。 今あるものを売るだけではなく、生産者とお客さんとの出逢いを生み出し、お金のやり取りだけで終わらせず、その出逢いがあったから次に新しいものが生まれる。 そのきっかけを作るのが「百貨店」であり、弊社でありたいと思います。

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村山さんの原点は家庭環境にあり

―おふくろ(おやじ)の味は「魚の煮付け」

家族みんなで料理を食べる家でした。外食をした記憶がほとんどないです。
当時はやっぱり外食をしたかったんですが、今思えば家族での食事ってすごい貴重だと思います。
母の手料理は和食がほとんどでしたね。洋食を作ってもらった記憶がほとんどないですね。当時はナポリタンやハンバーグがすごく羨ましかったですが、今思えばそれが原点だったのかもしれないですね。 漁港育ちの父は魚をさばいたり甘露煮をよく作ったりしてくれました。魚料理の時は母は手を出さなかったですね。役割分担がしっかりと決まっていました。
自分たちの出来ることで美味しいものを作ろう(家で味噌を作ったり、漬物をつけたり)それが当たり前の環境だったし、それが今の礎になっています。 家庭の味はどこに行っても食べられないですからね。

バイヤーに向いている人ってどんな人ですか。

仕事を、趣味のように好きなことと思って頑張れる人が良いですね。 好きな事や趣味に関しては、努力をしたり、時間を割けたりするのに、仕事になるとそこまで出来ない人がほとんどですからね。 バイヤーに限らず「探究心、追求心」がある事が大切だと思います。


◆一問一答◆

  • 好きなスポーツ ジョギング(家のまわりと旅先)、見るのは何でも好き
  • 趣味      食旅
  • お休みの日   旅(小笠原諸島に最近行った)
  • おふくろの味  魚の煮付け
  • 好きな食べ物  カレー(春日部 ラホール:インド風カレー)
  • 今会いたい人  両親

■株式会社三越伊勢丹

HP: 三 越 http://www.mitsukoshi.co.jp/
伊勢丹 http://www.mitsukoshi.co.jp/
本店所在地:東京都新宿区新宿三丁目14番1号
創業:三越1673年、伊勢丹1886年
事業内容:百貨店業

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