「地方創生『食の魅力』発見商談会2018」に出展される、岩手県盛岡市にある【株式会社浅沼醤油店】の浅沼宏一代表にお話を伺いました。
■貴社について教えてください。
大正3年(1914年)9月に曾祖父が創業し、2014年で創業100年を迎えました。
私で4代目になります。
創業当時は、同じ町内に4軒も醤油屋さんがあったそうです。
大正時代には、一升瓶のお醤油が散髪代と同じくらいと、大変高価な品だったそうです。
その後、醤油と味噌は普及し、家庭にはなくてはならない調味料として成長していきました。
先代である父は、醤油を使ったおいしい調味料を作ることで、さらに醤油の価値を上げることに注力しました。
4代目である私は、地域の資源(素材)と、味噌・醤油で培った発酵技術を活用して、新たな価値を生み出すことに取り組んでいます。
■商品について教えてください。
今回『食の魅力』発見商談会2018に出品する商品は、岩手県の素材をふんだんに使った商品です。
【エゴマ醤油】
地元の資源と発酵技術を使った、一番最初の商品です。
エゴマ醤油は、大豆を使わずに作るので、大豆アレルギーの子どもが安心して食べられる醤油です。
使用するエゴマは、岩手県一関市大東町の「花菜油の会」のエゴマを使っています。
同会は、地元の農家55人が会員となり、農薬や化学肥料を使わず安心で安全なナタネ油やエゴマ油を生産販売しています。
エゴマ醤油の原材料はエゴマの搾りかすです。もともとは肥料として使われていました。
栄養価が十分なエゴマの搾りかすを有効活用した、エコな調味料です。
アレルギーの方でも安心して食べることが出来ます。
【キャベタリアン宣言】
2000名に試食アンケートを行って誕生した、キャベツ専用のドレッシングです。
日本一のキャベツ産地だった岩手町の「いわて春みどり」の良さを知ってもらうため、平成23年よりプロジェクトが立ち上がりました。様々な方に食べていただき、試作を重ね出来上がった逸品です。
テレビ番組の「熱闘タレ甲子園」で見事一位にも輝きました。
【あわびの精】
岩手は江戸時代より干鮑の生産地で、今でも日本全国の95%を生産しています。
栄養豊富なアワビの肝は、時間が経つにつれ特有の臭みが出るため、地元でしか味わえない逸品でした。そのため外にはほとんど出ず、廃棄がとても多い代物でした。
野村海産(株)の野村代表と試作を重ね、鮑の肝醤油が完成しました。
発酵の力で鮑の肝を生まれ変わらすことに成功し、見事に「農林水産大臣賞」を受賞することができました。
■今後の展望を教えてください。
今回出品する商品は、どの商品も地域の資源があったからこそ出来た商品です。
歴史の積み重ねが作ったと言っても過言ではありません。
これからも地域の資源と発酵技術を使って、新たな商品を開発していきたいと思っています。
また、6月には「醸すフェス-食楽(くら)まつり」を開催しています。
味噌の詰め放題や、醤油の仕込み体験など、味噌や醤油に触れ合う機会も積極的に作っています。
地元の生産者や企業、時にはみちのくプロレスなど異業種とも連携し、楽しみながら岩⼿の魅⼒を伝えていきます。
◆株式会社浅沼醤油店( http://www.asanumashoyu.co.jp/ )
本社所在地:岩手県盛岡市中ノ橋通一丁目8-2
TEL:019-622-2580
FAX:019-622-2586
代表者:代表取締役 浅沼宏一