10社以上と商談が進行。特化技術のアピールにも成果あり。
従来なら廃棄、未利用の部位を生かす独自技術
有限会社瀬戸鉄工は「鉄工所」でありながら、食品製造が売上の7割を占める異色の企業。自動車部品を製造するプレス加工技術を応用し、独自に研究開発した特許技術「瞬間高温高圧焼成法」で製造する食品は「焼きいりこ」、「イカ姿フライ」、「焼きだし」など50品目にもおよびます。
「瞬間高温高圧焼成法」で加工された食品は、衛生面、栄養面、保存性、色彩、食べやすさなど、多方面にわたりきわめて優秀であることが、広島県食品工業技術センターの検査で明らかにされています。
しかも、従来であれば廃棄したり、未利用だったりする部分を生かせる点が大きなポイント。海産物加工品など呉市をPRするブランド食品をすでにいくつも創造してきました。
当日は「焼きいりこ」を中心に数種類の製品を出展。試食を通じて、独自の技術と実績をアピールし、全国各地の特産品を原材料とする新たな食材開発の可能性を提案しました。
「野菜」への反響に大きな手応え
あわせて、最近、取り組みを始めている野菜のプレス加工に関し、試作品の展示・試食によって情報収集を行うという目的もありました。 「ところが、野菜への反響の大きさに、こちらが驚いてしまいました。現代の食のあり方への危機感や食育への関心から、野菜に注目する企業がいかに多いかを目の当たりにすると同時に、当社のオンリーワン技術で、そのニーズに十分応えていけることを実感。新たな提案やプレゼンテーションを模索するうえで、期待以上の収穫がありました(瀬戸勝尋代表取締役・談)」
出展をきっかけに商談が進行しているのは、2011年4月時点で10社あまり。うち4社との間で具体的な動きが始まっています。卸売商社への製品納入、加工食品メーカーへの資材原料の納入、都内で展開している料理教室のオリジナルブランド商品のOCMなど、取り引きの形態はさまざまですが、いずれも野菜加工品の受注となっています。
また、「決算書類には表れにくい、企業の具体的な活動内容を、取引銀行さんに実際に見ていただく場としても、非常にいい機会だと感じました (瀬戸社長・談)」とも。
取引先ひいては消費者に「喜んでいただける」ことを基本に、誠実に取り組み続けていれば、商談の機は必ずあると、同社では考えています。
有限会社 瀬戸鉄工
担当銀行:中国銀行
商品種別:加工食品
出展商品:焼きいりこ 焼きだし イカ姿フライ等
本社所在地:〒737-2632 広島県呉市川尻町上畑1068-4
URL:http://www.yakiiriko.com