試食したバイヤーの反応をもとに新商品の味を確立
試験提供の「島ごまだれ」に関心が集中
沖縄県産豚「あぐー」(沖縄在来豚と西洋種の交配種)や、その加工品を中心に沖縄県産の農産物・加工品を販売する株式会社マキ屋フーズでは、フードセレクションへの出展が、新製品の開発に大きな影響を受けました。
生産者とのパイプを生かした安定供給体制と、品質や味わい向上のための研究開発に向けた意欲的な取り組みを背景に、産直贈答品の売上を伸ばしている同社は、贈答品の需要を見込んで「あぐー豚しゃぶしゃぶギフトセット」、「アグーハムセット」を出展、試食を展開しました。
その際、肉に合わせる調味料として、しょうゆ系のぽん酢、島らっきょうのドレッシング、そして開発途中であった「島ごまだれ」の3種類を持参。「あぐー豚」の人気とあいまって、ブースは非常ににぎわいましたが、「島ごまだれ」が紅こうじでつくる沖縄県の伝統的な発酵食品「豆腐よう」を素材としている点に、バイヤーの興味が集中。十数社からの引き合い、問合せに加え、試食の感想が、今後の開発を進めるヒントとなりました。
バイヤーの反応が、味わいや原材料決定の決め手に
「島ごまだれ」は、アミノ酸を豊富に含み、健康食品としても注目される「豆腐よう」を固形化・粉末化する技術を利用し、2010年度の沖縄県ベンチャー育成連携事業の認定企業として、あぐー豚を扱う名護市内の飲食店と共同開発していた新製品。酒のつまみという固定的なイメージが強い「豆腐よう」だが、その栄養価と風味を生かした食品として提供できないか、との思いを実現させたもの。
「豆腐よう」は元々、“酒の利いたうに”を思わせる大人の味わいが特徴。バイヤーの多くから、その独特の風味をもっと生かした方がいいのではないかという反応が寄せられたこと、また、保存を考慮して食品添加物も使用しいる点についても、否定的な反応が多かったことから、金城社長は無添加の製品にすることを決意し、今夏の贈答需要に合わせ、製品が完成しました。
「結果的に、素材も風味も沖縄発、ほかにはない味わいの開発につながりました(金城正直社長・談)」
研究開発に積極的な企業と、感度の高いバイヤーが直接出会い、情報交換するフードセレクションは、新商品の開発や既存製品のブラッシュアップにおいて、同社のように地方の個性や魅力を、大きく引き出すきっかけとしても機能しています。
地方銀行フードセレクション
株式会社 マキ屋フーズ
担当銀行:琉球銀行
商品種別:畜産品・加工食品
出展商品:沖縄県産豚「あぐー」加工品
本社所在地:〒905-0017 沖縄県名護市大中1-19-24名護市産業支援センター303号
URL:http://makiyas.jp/